京都御所は、天皇が住む内裏であり、現在の京都御所は南北朝が合一した1392年から1869年(明治2年)まで内裏として使用されたそうです。写真は広大な京都御所の南面正門である建礼門です。
建礼門の先には、承明門、紫宸殿が並んでいます。写真は承明門と紫宸殿です。
紫宸殿は、京都御所において最も格式の高い正殿であり、即位の礼など重要な儀式が行われる建物です。明治天皇、大正天皇、昭和天皇の即位の礼はこの紫宸殿で執り行われましたが、今上天皇の即位の礼は警備上の問題等から東京で執り行われたようです。2019年の即位の礼はこの紫宸殿で行われるのでしょうか。写真は紫宸殿と左近の桜です。
紫宸殿は、室内を間仕切りを設けない1室とし、柱は円柱、床は畳を敷かない拭板敷(ぬぐいいたじき)、天井板を張らない化粧屋根裏とした典型的な寝殿造りのようです。写真は紫宸殿の扁額です。
紫宸殿の室内には高御座(たかみくら)があります。高御座は、天皇が即位の際に着座し、その即位が象徴的に示される天皇の正式な御座所である玉座です。今上天皇の即位の礼の際にはこの高御座が東京まで運ばれたそうですね。写真は高御座です。
紫宸殿の北東には天皇が日常の住まいとして使用された清涼殿があります。この清涼殿では、政事や神事も行われたそうですね。写真は大臣の人形が置かれた清涼殿です。
御所内では雅楽が行われていました。
京都御所から大宮御所、仙洞御所へ
大宮御所は後水尾天皇が東福門院(徳川和子)のために造営した女院御所を始まりとし、現存する大宮御所は1867年に建てられたようです。現在は天皇・皇后・皇太子・皇太子妃が京都に行幸した際の宿泊に使用されています。写真は雁行形に配置された屋根が特徴の大宮御所の御車寄せです。
大宮御所の南には仙洞御所があります。
仙洞御所は皇位を退いた天皇(上皇・法皇)の御所です。現在の仙洞御所は後水尾天皇のために造営されたものでありますが、建物は焼失し、庭園のみが残っています。写真は仙洞御所の北池です。
仙洞御所の庭園は、池泉回遊式の庭園であり、初め小堀遠州により作庭されましたが、後に後水尾天皇の意向により大きく改造されたそうです。写真は藤棚が設けられた八つ橋と南池の州浜(すはま)です。
州浜は、池泉のきわに緩い勾配をつけて小さな玉石を敷き詰めたものであり、州浜の玉石は小田原で採石されたそうです。写真は南池中島の雪見灯篭
州浜は池を大きな海として表現し、浄土式庭園に多く見られる意匠です。これほど大きな州浜を有する南池庭園は、禅宗庭園には見られない壮大で優雅な庭園ですね。写真は南池と大きく湾曲した州浜です。
仙洞御所の庭園に茶室がありました。皇室の方々も侘びさびの世界を楽しむのでしょうか。写真は茶亭又新亭です。
京都御所に西には蛤御門があります。
久坂玄瑞はこの付近で戦ったのでしょうか。禁門の変の弾痕が生々しいですね。
京都御所、大宮御所、仙洞御所の散歩を終わります。