京都散歩(1) -東寺-

たくさんの観光客で賑わう東寺(教王護国寺)は、平安京を守るために建立された官寺であり、唐から密教を持ち帰った弘法大師空海が入り真言密教の根本道場となったことは有名ですね。写真は東寺の南大門です。
東寺が建立されたとき、まず建てられたのが薬師如来を本尊とする金堂でした。下の写真は、その金堂であり、二階建てのように見えますが平屋のようです。裳階の中央に小さな屋根が作られていますが、これは珍しいもののようです。
嵯峨天皇により東寺を託された空海は、唐から持ち帰った密教を広めるため、東寺の伽藍の中央に講堂の建設を行いました。そして空海は講堂の中に密教の教えを分かり易く表現するため、いわゆる立体曼荼羅を作りました。
立体曼荼羅は、大日如来を中心とした五智如来、五大菩薩、五大明王、六体の天の合計二十一体で構成されたものです。写真は立体曼荼羅が安置されている講堂です。
講堂の中央に置かれた大日如来は、すべての起源となる宇宙を現しているそうです。また、大日如来は菩薩や如来などのすべての仏に化身することができるそうです。したがって、立体曼荼羅は生きてるものは生きながらにして仏になることができるという即身成仏を現しているそうです。難解ですね。
下の写真は空海が唐から持ち帰ったとされる曼荼羅のお土産です。左が胎蔵界曼荼羅、右が金剛界曼荼羅です。空海はこの両界曼荼羅をさらに分かり易くするために立体曼荼羅を作ったそうです。
難解な曼荼羅を見学して講堂から外に出ると京都を代表する五重塔が見えます。実はこの五重塔の一階部分にも心柱を大日如来にみたてた曼荼羅が安置されているそうです。
大師堂には弘法大師空海の坐像が安置されています。京都散歩を始めたことのご挨拶と無事に京都散歩を完遂することができることを願って大師様にお参りしました。写真は大師堂の門です。
空海は晩年東寺から高野山へ行きました。東寺の門から出て行く空海を見送りにきた不動明王が歩いた跡に蓮の花が咲いたといわれることからその門は蓮花門と呼ばれるようになったそうです。写真は小子房の庭園と蓮花門です。
また、東寺の北側に観智院という塔頭があります。この観智院は非公開ですが、数々の国宝などがあり、筆宮本武蔵の絵も所蔵しているようです。写真は観智院の門です。
空海が広めたかった真言密教の教えに少しだけ触れることができた東寺散歩を終わります。